東京の私立高校「併願優遇」とは? しくみと内申基準の見方をやさしく解説

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「併願優遇」という言葉を学校説明会や塾で聞いたけれど、実際どんなしくみなのかよく分からない――。そんな中学生・保護者の方に向けて、この記事では東京の私立高校の併願優遇について、分かっている公式情報をもとにやさしく説明します。

この記事の結論・要点

  • 併願優遇は、私立高校の一般入試のなかで使われるしくみです。各私立高校が定めた成績等の基準を満たした受験者に対して、学校が優遇措置を行います(東京都「令和8年度 都内私立高等学校入学者選抜実施要項」による)
  • 併願優遇とよく似た言葉に「推薦入試(単願推薦)」がありますが、東京都の区分では、推薦入試はその私立高校を第一志望とすることが応募資格の一つです。併願優遇はそれとは別の一般入試のしくみです
  • 併願優遇の内申基準(何以上なら優遇の対象になるか)は、学校ごとに・年度ごとに違います。特定の数字は公表されていない、または毎年変わるため、志望校の公式の募集要項や学校説明会で確認する必要があります
  • 併願優遇を利用して都立高校と併願する場合、入学金などの納付方法にもいくつかのパターンがあります。学校ごとに違うので、事前の確認が欠かせません
  • 併願パターンの組み方は、併願校診断で整理の参考にできます

併願優遇とは何か(一般入試のしくみの一部)

東京都の発表によると、都内の私立高校の入試は大きく「推薦入試」と「一般入試」の2つに分かれます。併願優遇は、このうち一般入試のしくみの一つです。

一般入試では、学力検査・面接・調査書等をもとに選考が行われます。そのなかで、各私立高校があらかじめ定めた成績等の基準を満たした受験者に対して、優遇措置(併願優遇)を行う場合があります(東京都「令和8年度 都内私立高等学校入学者選抜実施要項」による)。

つまり、併願優遇は「一般入試を受けるけれど、一定の内申などの基準を満たしていれば、合否の判断で優遇してもらえる」というしくみだとイメージすると分かりやすいでしょう。ただし、優遇の具体的な内容(点数の加算なのか、基準を満たせばほぼ合格となるのか等)は学校によって異なるため、この記事では一般的な位置づけの説明にとどめます。

推薦入試(単願推薦)との違い

東京都の実施要項では、私立高校の推薦入試について、次のように応募資格が定められています。

  • その私立高校を第一志望とし、出身中学校長が推薦する者で、各私立高校の定める推薦基準に該当する者(東京都「令和8年度 都内私立高等学校入学者選抜実施要項」による)

つまり、推薦入試はその学校に必ず入学することを前提にした「単願」のしくみに近い形です。一方、併願優遇は一般入試のなかのしくみなので、他の学校(都立高校など)を第一志望にしたまま利用できる点が大きな違いです。

なお、「単願推薦」「併願推薦」という呼び方は塾や学校によって使われ方に幅があります。東京都の公式な区分では「推薦入試」と「一般入試(併願優遇を含む)」という整理になっていることを押さえておくと、情報を読み解きやすくなります。

内申基準の考え方・見方

併願優遇を使えるかどうかの基準になるのが、内申点(中学校の評定)です。ただし、次の点に注意してください。

  • 併願優遇の内申基準は、学校ごと・年度ごとに違います
  • 具体的な「内申いくつ以上」という数字は、東京都の実施要項そのものには記載されていません。実施要項では、併願優遇を実施する学校に印(*)がついているだけで、基準の中身は各校が個別に公表しています
  • 基準は毎年見直されることがあるため、前年度の情報をそのまま信じるのは避け、志望校の最新の募集要項・学校説明会で確認することが大切です

このサイトでも、特定の高校の併願優遇の内申基準を数字で紹介することは避けています。理由は、基準が年度によって変わるためです。正確な情報は、必ず志望校の公式サイトや募集要項、学校説明会で確認してください。

内申点そのものの出し方(評定から点数を計算する考え方)については、都立入試の換算内申の記事で詳しく説明しています。私立の併願優遇でも、中学校の評定(9教科の内申)が基準になることが多いため、まずは自分の内申を正しく把握しておくことが第一歩です。

→ 換算内申の出し方・計算方法(都立入試向け)

併願優遇を利用するときの注意点

併願優遇を使って都立高校と併願する場合、気をつけたいのが入学金などの納付のタイミングです。

東京都の実施要項では、一般入試における都立高校併願者への入学納付金の取扱い方法として、次のようなパターンが示されています(東京都「令和8年度 都内私立高等学校入学者選抜実施要項」による)。

パターン 内容の考え方
A 入学手続きの締切日が、都立高校の合格発表日以降
B〜E 都立高校の合格発表日より前に一部または全額を納付させるが、都立不合格だった場合などの申し出により、一部または全額を返還する
F 都立高校の合格発表日より前に一部を納付させ、返還しない

このように、学校によって、いつまでにいくら納める必要があるか、都立の結果が出るまで待ってもらえるかが大きく異なります。「併願優遇だから都立の結果が出るまで安心」と思い込まず、志望する私立高校がどのパターンに当てはまるかを、事前に募集要項で必ず確認しましょう。

内申基準や併願優遇の条件を確認する方法

併願優遇の条件を正確に知るには、次のような方法があります。

  1. 志望する私立高校の公式サイトの募集要項(入試要項)を確認する
  2. 学校説明会・個別相談会に参加し、学校の先生に直接確認する
  3. 在籍している中学校の進路指導の先生に相談する(中学校長の推薦が関わる場合もあるため)

志望校の候補を広げて検討したい場合は、サイト内の高校一覧・検索ページで学校ごとの情報を調べたり、併願校診断で併願のバランスを考えたりするのも一つの方法です。

まとめ

東京の私立高校の併願優遇は、一般入試のなかで、学校が定めた成績等の基準を満たした受験者に対して行われる優遇措置です。第一志望であることが前提の推薦入試とは異なり、都立高校などを第一志望にしたまま利用できるのが特徴です。

ただし、内申基準も入学金の納付方法も学校ごとに違います。「だいたいこのくらい」というイメージだけで判断せず、志望校の最新の募集要項や学校説明会で、必ず公式情報を確認しましょう。併願パターンの整理には、併願校診断や高校一覧・検索ページもあわせて活用してください。

出典

※ 本記事の入試のしくみ(推薦入試・一般入試・併願優遇・入学納付金の取扱い)は、令和8年度(2026年度入試)の実施要項に基づく内容です。年度によって内容が変わる可能性があるため、最新の情報は必ず東京都または志望校の公式情報で確認してください。